実習を受ける前に不安に駆られているあなた。もしくは今現在、実習中で心が折れそうになっているあなた。
現場実習は辛い・・・。多くの人がそう想像するだろうし、おおむね間違っていない。
「実習 楽勝」「実習 楽しかったー」なんてことは、ほとんど聞いたことがない。
くじけそうになること、辛くて投げ出したくなること、不安で胸がドキドキすることもあるだろう。しかしそれでも、社会福祉士になりたければ辛い実習も乗り越えるしかない。
実習で辛いこと
介護・保育・お話相手しかさせてもらえない
「社会福祉士」としての実習に行ったにも関わらず、ソーシャルワークの実習(見学)をさせてもらえず、不満を抱えることがある。
高齢者施設や児童施設などに実習に向かうと、どうしても介護や保育などの業務がメインになってしまうこともあるだろう。もちろん介護や保育を専門にしている学生ではないので簡単な介助やお手伝い程度だが。
「ソーシャルワークの実習をしたいのに・・・」
それでも、もしも実習内容に違和感を感じても、観察したり感じたりして何か学びを得てほしい。常に自分は『社会福祉士』を目指す者であることを忘れず、『ソーシャルワークの視点』を持つようにしよう。
不適切な対応を目にしてしまう
筆者は大学生の時に現場実習に行った。※以下の話は20年ほど前の昔話ということを強調しておく
とある児童養護施設で実習させてもらったが、そこでは時々職員が児童を叩く場面があり、それを目にすることがあった。とても嫌な気分になり実習を辞めたい気持ちにもなった。ただ学生の身分で何もできず、大学の先生に相談しつつ何とか実習を終えた。
今の時代、叩くということはないにしても、もしかしたら不適切な介護や養育を目にしてしまうかもしれない。誰かが対象者に向かって不適切な声かけをしている場面を見るかもしれない。対象者の悪口を耳にするかもしれない。
その職員が何の職種であれ、見本にしたくない職員がいるかもしれない。しかし、そこで自分の理想と違うからと諦めるのではなく、そのような職員を『反面教師』にして、自分はそうならないと誓うのだ。
乗り越える方法
助け合おう
もし実習先に同じ学校から複数名行く場合には、その仲間と助けあって乗り切ろう。苦しいことも辛いことも仲間がいれば緩和される。ただし、仲良しこよしでふざけたりやる気のない態度で過ごしたりはご法度だ。
また、実習現場に実習生は自分だけ、という方。組織でたった一人の実習生になるのは孤独を感じやすいだろう。友達や家族に連絡したり、実習のない日には思い切り羽を伸ばして少しでもストレスを緩和してほしい。
失敗を恐れすぎない
実習期間中、一生懸命やったにも関わらず失敗してしまうこともあるだろう。人間だからミスすることはある。
実は、筆者は実習中(故意ではないが)ミスをし、実習先に多大なるご迷惑をかけてしまった。大学の先生に報告し一緒に謝罪してもらったのだが、自分が情けなく、そうとう落ち込んだ。
先生は筆者の心身の状態を気にかけ、実習を中止しても構わないことも提案してくれたが、筆者の出した結論は「実習続行」であった。社会福祉士になりたかったし、ここで辞めて逃げた感じになるのが嫌だった。
迷惑はかけたが、やり遂げて良かったと今は思っている。
あなたも、実習途中でくじけそうになったり、ミスをして落ち込むことがあるかもしれない。
ミスしたことは仕方がないので、すぐに実習先に謝罪し、大学や専門学校の先生に報告しよう。先生も一緒に謝ってくれるはずだ。反省した上で、残りの期間はとにかく与えられた業務を熱心に、同じ間違いはしないようにやっていこう。
未来を想像する
この辛い厳しい実習だけに目を向けず、将来を見つめてほしい。
国家試験に合格して努力が報われる瞬間を想像してもいいだろう。社会福祉士になってどんな仕事をしたいか思いを巡らせるのもいいだろう。
もしかしたら、実習を経て、就職希望先の方向性を変える人も居るかもしれない。例えば、当初は高齢者分野に就職したいと思っていたが、実習で障害分野を経験したら障害分野の方が合っていると感じた、ということもあるだろう。
実習を行うことが、自分の未来をより具体的に考えるきっかけになるかもしれない。
まとめ
余談だが、筆者は実習最終日に「あなたはソーシャルワーカーの資質があると思う」と言われた。大学生だった筆者は純粋に喜び、有難くその言葉を信じ社会福祉士となった。その言葉がリップサービスか、本当に筆者に資質があるかどうかは分からないが、今も心に残る一言だ。
もしあなたが社会福祉士になりたいと本当に願うならば、やはり実習はやり遂げてほしい。辛いことや失敗もあるだろう、それでもどうにか乗り切って将来の自分に生かしてほしい。