「新しい職場でもっと力をつけたい」「今と違う分野で挑戦したい」「もっとお給料をもらいたい」「でも転職するのは怖い、不安…」こんな悩みを抱えてはいないだろうか。
不安や悩みは至極当然のことだ。転職にはリスクもある。しかし筆者がこの記事タイトルに回答するとすれば、筆者の答えは「アリ」一択だ。
筆者は「社会福祉士」だけを武器に、何度も転職を重ねてきたが、自身では転職したことをマイナスに感じたことは一度もない。
確かに、うまくいかなかったこと、想像していたことと違っていたことはある。ただしどれもが自分の挑戦であり、全てが更なる知識の習得、経験になったのだ。
この記事では、転職を考えたあなたの不安を取り除き、今の自分にあった職場探しに取り組んでいけるように後押しをしたいと考えている。
※筆者は転職推進派であることを予め断っておく。転職するのを引き留めてほしい方には閲覧を勧めない。
何が不安にさせるのか
転職を考えたとして、一番不安に思うことは何だろうか。
・新しい職場に馴染めるだろうか。人間関係を最初から構築するのが面倒だ、怖い。
・上司が年下かも。
・本当に自分の望む職場が見つかるだろうか。もしもどこにも就職が決まらなかったら?
・収入が落ちるかもしれない。
・そもそも現職場に「辞めたいです」と言えない。
・すでに転職を経験したことがあり、転職回数が多いことで評価されないのではないか。
こんな感じだろうか?
転職を考えた時に不安を覚えることはごく自然なことである。
色々と考えた結果、転職しないと決める人もいるだろう。それは個人が決めたことであり、それは尊重されるべきだ。
ただもしも、あなたが不安だからという理由だけで行動を起こせていないとしたらどうだろうか。もしかして大きなチャンスを逃しているのだとしたら…?
転職を勧める理由
時代の変化
もはや終身雇用の時代は終焉を迎えたと言っても過言ではない。
「転職」「副業」「複業」「パラレルワーク」が当たり前の時代となっている。政府が働き方改革を謡い、働き方に多様性がもたらされ、個人が働き方を選ぶ時代となってきた。そう、時代が変わってきているのである。
念のために記すが、現職場で生涯勤めあげたいというのも一つの働き方であり、それを否定している訳ではない。
自身の視野が広がる
例えば同じ社会福祉士であっても、働く場所が変われば立場が変わる。断っておくが、立場というのは上下の関係という意味ではない。
例えば退院支援を行うMSWと、地域で受け入れる側のケアマネや包括支援センター職員の立場の違い。
たとえば退院を促す方と、退院を(在宅や地域で)受け入れる方だと立場は違う。例えば・・・。
MSW:
「(入院期間も長くなってきているし、正直ベッドも空けないといけないし)、〇日までには退院してもらいたい。この方向で調整したい。」
ケアマネや包括支援センター職員:
「事業所と連絡とって、サービス組み直して初回の担当者会議を行えるのが早くても〇日。退院はそれまで待って欲しい」
(実際はこの何倍もの会話が重ねられているはずだが、便宜上省略した)
同じ社会福祉士であっても、所属や立場によって言わねばならないことが変わることはある。時に「は?何言ってんの?」と苛立ってしまうこともあるだろう。
ただ、色々な立場での社会福祉士を経験しておくと、「ああそうか、それはきっと〇〇という事情があるからだな」とか相手の立場での発言に思いを寄せられ、意見の擦り合わせができることもある。
もちろん、どの立場においても、クライエントの利益が最優先というのは変わらない方針である。
他分野の知識の吸収
働く場所が変われば取り扱う法制度も変わる。
例えば、あなたが現在、高齢者福祉分野で仕事をしていたとしよう。おそらく老人福祉法や介護保険法を根拠法として仕事をしていて、その知識は十分にあるはずだ。
では、もし児童福祉分野で働いてみたいと思ったら? 当然のことながら、子どもの権利条約や児童福祉法を学び、それを実践していく力が必要になる。
新しいことを学ぶことはチャレンジングなことであるが、楽しみでもある。何より我われ社会福祉士としては重要な学びであるに違いない。
思い出してみてほしい。
あなたは大学や社会福祉士養成校において、高齢、児童、障害、貧困、保健医療、司法など分野横断的に法制度や知識を勉強してきたはずだ。そう、そもそも社会福祉士を取得するときに一度は通っている道なのだ。
社会福祉士の活躍の場の広がり
社会福祉士および介護福祉士法が施行されたのは1988年のこと。
この資格が誕生する以前からソーシャルワーカーという人は存在していた(呼び名は様々)が、資格が誕生し身分がはっきりとした。以降、社会福祉士の活躍の場は広がり続けている。
例えば医療分野では、医療機関に社会福祉士が配置がされていることが診療報酬上の加算要件となっている。また地域包括支援センターでは社会福祉士が必置となった。学校や司法分野においてもソーシャルワークが取り入れられるようになり、社会福祉の活躍の場は広がってきた。
今はまだ開拓されていなくても、将来もっと違う職場で我われ社会福祉士が活躍しているかもしれない。
でもやっぱり同じ事業所で働き続けたい!
もしあなたが1つの会社で定年まで働きたいという考えの持ち主であれば、何も言うことはない。
現在の組織で働き続けることでキャリアアップを望めることもあるだろうし、第一、今の職場に何ら不満がない方もいるだろう。また不満があったとしても働き続けるという忍耐力を備え持っている強者も居るだろう。
筆者はそういう人を心から尊敬している。なぜなら私がいくら努力してもそれは成し遂げられないからである。
自分らしい働き方
何度も記すが、筆者は転職推進派である。
ただ前述のとおり、1つの会社で働き続けることも素晴らしいことと思い尊敬もしている。
「転職する/しない」、「副業する/しない」、「起業する/しない」、すべてあなたが決めて良いことである。
家族を養う必要があるとか、明日生きるためのお金が無いならばそんなことは言ってられないかもしれないが、願わくは、あなたが自分らしい働き方を手に入れてほしい。