社会福祉士の資格に興味がある、またそれを生かしてソーシャルワーカーになりたい。でも自分には向いているのだろうか、自分に務まるのだろうか・・・と不安に感じているあなた。
自分が不向きかもと心配になる理由として、よく見聞きするのは「コミュニケーション能力」の問題だ。つまり「相談援助(ソーシャルワーク)の仕事したいけど、コミュニケーション能力低いから無理かも」ということだ。
では実際のことろ、コミュニケーション能力はどこまで必要とされるのか。コミュニケーション能力が低いと相談援助の仕事はできないのだろうか。
最低限これだけは…
コミュニケーション能力が低いとしても、人見知りだとしても、やはり最低限クライエントに失礼のないように(または失礼に見えないように)する必要はある。
すごく人見知りだからということで、相手の目を見ない、聞こえないようなボリュームでしか挨拶できないとなると、意図せずとも「失礼な人」と見られてしまう。それは大変にもったいないことだ。あなたがとても誠実な方で、制度にも精通していて、素晴らしいソーシャルワークが出来るとしても、それが伝わる前に印象が下がってしまう。
最低限はっきりと挨拶しよう。人の目を見て話そう。どんな業種であれ話はそれからだ。
口下手でも大丈夫
コミュニケーション能力が皆無でも大丈夫かと問われれば、やはりゼロだと厳しい。全く人と会話したくない、関わりたくないと言われてしまうとさすがに業務に支障がある。
しかし『口下手だ』ということなら話は別だ。弱みどころか、強みではないだろうか。
相談援助における面談では、クライエントに色々とお話しいただかないといけない。個人の生活歴や生活課題やこれからの願望、希望など、支援するのに必要な情報を聞くことが必要だ。そういう場面において、信頼を得て気持ち良くお話しいただくにはこちらの聞く姿勢が重要だ。つまりこちら側がペラペラと喋る必要はなく、口がうまくある必要はない。
ただし制度や料金の説明をする際には、分かりやすく説明する技術は必要だ。口下手でもいいから、ゆっくり丁寧に。
口下手を無理に克服しようと思わなくて良いし、不安に思わなくても大丈夫だ。
明るい性格でなくても大丈夫
コミュニケーション能力が高い=明るい人というイメージもあるだろう。誰とでもフレンドリーに話せて、友達も多くて…のように。
しかしハッキリ言って、あなたが無理にそうなる必要はない。クライエントと面と向かった時に、その相手ときちんと向かい合えて少しずつ信頼関係を築けるのであれば、誰とでもすぐに仲良くなる能力までは必要ない。性格が明るくなくとも大丈夫。
もし筆者がクライエントだとして、相談員さんが超絶明るい性格で賑やかですっごくたくさん話しかけてくれる方だとしたら深刻な相談はしないかも(もちろんこれは筆者の性格によるものだ)。
ただもちろん対話の場面で、こちらがしかめっ面をしていたり気難しそうな態度をしていてはいけない。更に、ネガティブなオーラをまとって暗い顔をしていては良くない。それは当然お分かりいただけるだろう。プロとして、クライエントと接している場面では、柔和な顔で穏やかな態度で、少しでもクライエントが話しやすい空気を生み出そう。そのように努力できるのならば大丈夫。
日々の実践で鍛えられる
多少の人見知りや少々のコミュニケーション能力不足は、日々の実践で鍛えられる。
クライエントと面談したり電話相談を受けていれば、否が応でも鍛えられる。最初は毎度まいど緊張してしまうかもしれないが、徐々に慣れてくる。要は「習うより慣れよ」ということだ。
しばらく実践を続けて慣れてくれば少し楽になる。もしもしばらく続けても慣れた気がしない、または苦労としか思えないのであれば、その時に道を考え直せば良い。やってみたいと思う仕事を、現在のコミュニケーション能力だけで即座に諦める必要はないはずだ。