卒論は自分が本当に書きたいことをテーマにしよう

実践・雑記
実践・雑記

筆者は『ただの』社会福祉士である。大学教員でもない人の助言なんて意味ないと思う方はこのページを閉じて、大学の先生に直接相談しに行くことをお勧めする。

筆者は『とあるテーマ』で卒論を執筆したが、周囲で苦労する人が多い中、割と楽しく執筆でき、成績もAAという評価を受けた。成績評価は大学によって表現が違うらしいが、とりあえず最高評価だ。

もちろん楽しく書けたと言っても、その中に苦労があり行き詰まりを感じたこともあったが、そういったことも含めて楽しく書けたと言う意である。

さて、超一流大学でもない大学の中でAAをもらったからと言って大したことはない。ただ、なぜ楽しく執筆できたのか、そしてなぜ良い評価を得ることができたかを考えると、理由はただひとつ、テーマ選びに成功したからだと分析している。

これから卒論に挑む人に何かヒントになればと思い、この記事を作成することとした。

なぜテーマ選びが重要なのか

卒論に向き合う時、最初に「卒論のテーマを何にするか」が、最初の課題である。
確固たるテーマが自身の中で決まっている方は別として、なかなか何を書くべきか悩んでいる方もおられるだろう。

そこで、「なんとなく」「書きやすいと言われたから」「ゼミの担当先生の研究領域だから」という理由で安易にテーマを選んでしまうと後悔のもとだ。

テーマを選び損ねると、いざ書き始めたはいいが全く筆が進まないどころか、書く意欲さえ失いかねない。
筆者に言わせれば、テーマを選ぶことが卒論の最大のテーマ、最大の難題である。

「テーマ何にしたら良いですか」と聞くな

ネット上では「書きやすい卒論テーマは?」など相談している方がおられ、様々な回答が寄せられている。
そういった情報を参考にすること自体は否定をしない。しかしその意見を受けて、そのまま書くというのはいかがなものか。

そもそも『卒論のテーマを何にするか』という、非常に、非常に重要なことを、なぜ人に聞くのか。アドバイスを求めるとしても、AとB二つで迷っているとか、ある程度の想定が頭の中にあって欲しい。

全く候補も何もないというのは何故なのか。卒論のテーマを決めるのはおそらく大学3年生だろうが、それまでの約3年間で山ほどの学びがあったはずだが、自分の心を動かすものは一つも無かったのか。ほんのちょっとでもいい、何か調べてみたいこと、気になること、疑問に思ったことはないか。

ネットで知らない誰かに尋ねるよりも、自分の心に聞け

テーマ探しのヒント

とはいえ、本当に何のきっかけも、ひとつも思い当たらないと言う人がいるのかもしれない(そうでないことを祈るが)。そのような方に、ヒントだけ提示したいと思う。

「例えばこういうテーマはどうか」という懇切丁寧なアドバイスはしない。例えを提示することで、あなたの自由な思考を邪魔したくないからだ。

講義の内容から

これまでの講義の中で、何かひっかかる点や、面白いと感じたことはないだろうか。今さらながらテキストを見直してもいい、書かされたレポートを見直してもいい。

実習の経験から

ソーシャルワーク実習の中で感じたことはないだろうか。実際の現場では、テキストに書いてある通り、講義で学んだこと通りのことが起きていただろうか。違和感や、もっとこうであったら良いのに…と感じたことはなかったか。

日々のニュースから

社会福祉に関する出来事、ニュースについて関心を持っておられるだろうか。新聞を読まない、テレビを見ない学生さんは多いだろうが、ネットニュースでもいいじゃないか。ひょっとしたら動画にもヒントがあるかもしれない。障害当事者の方が発信しているもの、認知症高齢者を介護している人が発信しているものもある。ヒントを得られる可能性はある。

自身の体験から

大学で社会福祉を学ぼうと思っている方の中には、自身の祖父母が介護サービスを受けていたからとか、自身の兄弟が障害者だとか、自身の身近に福祉の存在を感じていた方もおられるだろう。そういう自身の身の回りのことから何かテーマとなることを見つけ出すことはできないだろうか。ただし、感想文になってはならないため、身近なところから発して、制度や社会の仕組みに思いを馳せ、論文として成立させる必要はある。

周りが何といっても自分が書きたいことを書く

このようなことを言うと大学の先生方に叱られてしまいそうだが、周囲が何と言っても自分が書きたいことを貫く方が良いと思う。もちろん、大きすぎるテーマを絞るようにとか、論文だからこういう視点や書き方が必要だなどというアドバイスは真っ当なことで、絶対に従った方がいい。

しかし、核となるテーマは自分が納得するものを自分で選ぶべきだ。筆者は、自分の書きたいことを書いた。だからこそ、何冊も本を読むことが苦にならなかったし、途中で行き詰った時の苦労も「楽しい」に含まれた。小学校とか中学校の宿題でもそうだろう。ただやらされているものに、情熱を注げるだろうか?

自分が興味を持って、情熱を持って調べられそうなことをテーマにしよう。あなたの4年間の集大成として、満足いく形で論文が出来上がることを祈っている。


合わせてこちらの記事もどうぞ