社会福祉士ベースでケアマネとして働く

就職・転職
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◆社会福祉士の資格を持っているんだけど、ゆくゆくケアマネになりたい!
◆介護保険のスペシャリストになりたい!

ケアマネージャー(介護支援専門員)は、2000年に介護保険法の施行と同時に創設された。
2005年に超高齢社会となった日本にとって、介護保険はなくてはならないものとなっており、同様にケアマネージャーの存在も、高齢者自身やその家族にとって欠かせない存在となっている。

筆者は、これまでたくさんのケアマネージャーと連携を図りながら仕事をしてきた。
これは感覚のところではあるが、基礎資格が社会福祉士というケアマネージャーは何となく分かる。同じ資格を持つオーラが出ているのかどうかは分からないが、何となく同じ匂いがするのだ。

もし社会福祉士のあなたがケアマネージャーになったとしたら、どんなに素晴らしい活躍ができるのか、思いを巡らせてみてはどうだろう。

社会福祉士がケアマネージャーになるには

ケアマネージャーの受験資格には、以下の二つのパターンがある。
①法定資格を保有しており、その業務に通算5年以上かつ900日以上従事した実務経験がある。
②特定の職種で相談援助業務を通算5年以上かつ900日以上経験している。

上記①にある法定資格の中に、社会福祉士が含まれている。つまり、あなたが社会福祉士の資格保有者であってその業務に5年以上かつ900日以上従事しているのであれば、ケアマネージャーの受験資格を有していることとなる。社会福祉士としてある程度の業務経験を積んでいれば受験できるのだ。

※受験資格については、必ずご自身で確認してください

ケアマネージャーの基礎資格

ケアマネージャーに合格している人はどのような人たちなのか。
厚生労働省が介護支援専門員実務研修受講試験における職種別合格者数(第1回~第25回までの通算)について統計を出している。

その構成比率によると、合格者のうち多い順に
介護福祉士が44.7%
看護師・准看護師が23.7%
相談援助等業務従事者が10.7%
社会福祉士は6.4%であった。

現場で感じることだが、介護福祉士として介護職を経験した後にケアマネになるという人が非常に多くいることだ。やはり介護業務からステップアップするというイメージが介護福祉士の方に多いようだ。

反対に社会福祉士は全体のうち6.4%と、さほど多く感じない数字だ。

基礎資格別で変わる視点

ケアマネージャーにはそれぞれベースとなる資格、基礎資格がある。
そうすると当然のことながら、同じケアマネージャーの資格であってもそれぞれで物事に対する視点が変わってくるのは必然ではないか。

社会福祉士がベースのケアマネか、介護福祉士ベースのケアマネか、この両者だけでも簡単に違いが想像できる。どちらが良いかという問題ではなく、視点やアプローチの仕方が違うのだ。

社会福祉士がケアマネージャーになるとしたら、その専門性や独自性を十分に発揮する必要があるだろう。それはつまりソーシャルワークを実践できるケアマネージャーであること

もちろん他資格出身者がそれをできないとは言っていない。しかし少なくとも社会福祉士の方がその技術を持っていることには間違いないと思う、そしてそうあるべきだ。

ケアマネージャーと社会福祉士どちらが上か

ここでは2つの側面からケアマネージャーと他専門資格との関係を考えていきたい。

1つの側面は、ケアマネージャーが他資格のステップアップとして捉えられていることについて。

ケアマネージャーの受験資格は前述の通り2つのルートがあり、いずれも現場経験5年以上900日以上という経験年数が必要となっている。そこで、ケアマネは他専門資格より「上」だということを言う人がいる。

ではもう一方の側面で考えてみる。それは資格の種別である。

ケアマネージャーは都道府県が試験を実施する公的資格であるが、国家資格ではない。あなたがもともと保有している社会福祉士や介護福祉士は国家資格であり、資格の優位性としては「上」となる。

さて現場にいると介護福祉士出身のケアマネージャーが非常に多くいる。

筆者自身は介護福祉士ではなく介護職の経験もないため、介護職の方の心理までは理解しえないのだが、やはり介護職の経験を積んでケアマネになるというのが理想ルートというようなところのよう(筆者の想像であるため悪しからず)

であれば社会福祉士はどうか。

高齢者分野で相談業務をしてきた人はケアマネを取得する人が多いようにも思うが、統計でみてきたようにケアマネ資格取得者の内訳を見ても社会福祉士はそう多くない。

特に居宅支援事業所や高齢者施設で働きたいという希望がなければ、社会福祉士が活躍できる場は他にたくさん存在するからではないか。

実際、筆者はケアマネ資格を取得しておらず今後も取得する予定(希望)はない。
それでも就職先が無くて困ったということもなく働けている。高齢者分野で一生働くと決めている訳ではないこともケアマネを取らない一つの理由だ。

ケアマネが社会福祉士より上か下か。そもそもそのような話は無用である。

ただ、社会福祉士がケアマネを受験するために勉強することは、知識の再確認やもしかすると新たな発見もあるかもしれない。何より、勉強しつづける姿勢こそが素晴らしい。

まとめ

社会福祉士のあなたがケアマネージャー資格を取ろうと思うならば、頑張って5年900日以上の経験を積む必要があるが、2025年問題は目前。介護保険の需要はますます高まり、担うケアマネージャーに期待されることも大きい。

もしあなたが高齢者福祉分野で活躍したいと考えているのなら、ケアマネ資格を取得することは非常に有益だろう。

願わくは、あなたが晴れて試験に合格し、ソーシャルワーク実践という武器を使ってケアマネとしても活躍されたい