タイトルの「○○」には、決まった言葉が入る訳ではない。
別にどこかの本に書かれていた訳でもなければ、偉い先生が言っていた訳でもない。だから正しい答えがあるか分からないが、筆者が時々考えていることである。
目の前に「課題」があった場合にその「課題」解決に動くことは当たり前であり、皆そこに対しては真摯に向き合っているはずだ。ただ日々の業務に忙殺されて大切なことを忘れていないか、本来の形から逸れてはいないか、時々自分を振り返ってみる必要はあるだろう。
ただ○○だけの人にならない①
ただ知識が多いだけの人にならない。
そりゃ知識がないより、知識があった方がいい。自分に弱い知識があるならば勉強すべきであり、積極的に情報を仕入れることはとても大切なことだ。
しかし知識が多いからと言って、必ずしも良いソーシャルワーカーだとは限らない。
知識量を増やすよりもクライエントとの会話量を増やす、アセスメントをもっと丁寧に行う、課題解決のための行動を増やす。クライエントのエンパワメントを高める・・・まだまだありそうだ。
「あー、自分はここの知識弱いな。勉強しないと」と思わせてくれるのは、いつもクライエントだ。
ただ○○だけの人にならない②
ただ待っているだけの人にならない。
時にこんな人が居る。「情報が上がってきてないから(出来ない)(分からない)」と言う人。
新規クライエントの介入に際し、関係機関からの情報提供がないと「何にも情報来てないんですけど」みたく怒りを込めて言う人が居る。
情報が来てないんだったら自分で取りに行けば良くないですか?
例えばサービス提供事業所から報告が上がってきていなければ「最近の○○さんの状況(状態)どうですか」と聞けばいい。例えば病院に電話して「そちらに入院中の○○さんの家族が相談に来たんですけど、患者情報の情報提供していただけますか」と尋ねてみればいい。
自席で座っていて情報が集まってくるほどあなたは偉くない。
ただ○○だけの人にならない③
ただサービス調整するだけの人にならない。
例えば障害者相談支援専門員、包括支援センター職員、あるいはケアマネージャーとして働く時、介護保険や障害者自立支援法に則ってサービス調整を行うことが一つの仕事だ。
サービス調整も大切な業務の一つであるが、あくまでもたくさんある業務のうちの一つだ。サービス調整だけやっていれば良い訳がない。
例えば、目の前のケースに取り組む中でソーシャルアクションやアドボカシー等を意識、実践する。
この課題はこのクライエントだけの個別のものなのか、もしくは多くのクライエントが抱えている課題なのか考える。当事者らが自ら課題を声にして世の中に上げられているか考える。そこからアドボカシーやソーシャルアクションへと繋げていく。
ケースワークだけに重きを置くのではなく、ソーシャルワークを行なっていこう。
クライエントに必要なサービスを調整するのも必要だが、それに終始するだけでは意味がない。
ただ○○だけの人にならない④
ただ退院させるだけの人にならない。
メディカルソーシャルワーカー(MSW)として働く時に絶対に忘れてはならないのは、ただ退院させたり、ただ転院させるだけの人になってはならないということだ。
医療機関で勤めていると「医学モデル」が中心で話が進みがちになってしまう。また病院の経営というところまで目線を送れば、どんどん退院促進して稼働率を上げましょうという発想にまで至ってしまう。
しかし、あなたが社会福祉士であり真っ当なMSWであるならば、クライエントや家族の思いや事情に寄り添う支援をしなければならない。
分かっている。稼働率や平均在院日数も大事だ。しかし、MSWならばその数字よりもっと大切なことがあるはずだ。
他にも居る?「○○だけの人」
他に「○○だけの人」は思いつきますか?
もしあなたが初心者ならば、日々の業務を行うだけで精一杯になっていることだろうし、それを責めるつもりはない。筆者も新人の頃は、言われた仕事をやることだけで毎日精一杯だった。
しかしずっとそれで良いかと言えばそうではない。社会福祉士という資格を取得して仕事をしている以上は、それにふさわしい質を担保しなければいけない訳だ。大丈夫、少しずつ意識していければ良いと思う。
筆者自身も、ちゃんと出来ているだろうかと自分を戒めつつ日々精進していきたいと思っている。
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