退職代行は使うべきか否か いち社会福祉士の見解

就職・転職
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筆者は怒り心頭である。なぜか。
先日ニュースで、新卒採用されたがすぐに辞める人について特集されていた。

彼女は入社してすぐ辞めたらしい。現場研修で「ボケ」「アホ」などの暴言があり、また「あいつは使えない奴だから」などの噂話まで(新人の彼女に)聞こえてくる職場だったらしい。

筆者は彼女の退職の選択を支持する。そんなボケとかアホとか平気で言える人達と一緒に働ける気がしないし、このニュースで最も嫌悪を感じたのは、そこが福祉に関する企業だということだった

ボケとかアホとか平気で言える人達とどのような福祉社会を創造していけると言うのだろうか

このニュースを見て、筆者は『退職代行』について考えを少し改めることとした。彼女が退職代行を利用したかどうかは定かではない。ただ筆者に考えるきっかけを与えてくれた。

ブラック企業はこちらから見切りをつける

時代は令和である。

昔は「新卒で1年も経たずに辞めるなんてあり得ない」「石の上にも三年」「転職?お前大丈夫か?」だった。パワハラ、セクハラも日常の中のひとコマだったし、定年まで一つの企業で働くことが正義であった。

しかしそんな状況に変化が訪れ、今や転職や副業が当たり前だ。

ブラック企業で精神を病んだり、それによって自分で人生を終わらせるなんて、こんなに悲しいことはない。ブラック企業やパワハラ・セクハラ上司とは、こちらから見切りをつけよう

福祉業界にはびこる人材不足を起因とする引き留め

福祉業界(特に介護職)でも退職代行を使って退職する人が結構いるらしい。何人もの介護職の方が「自分は退職代行を使って会社を辞めました」とネットで体験談を綴っている。

福祉業界では以前から、「次の人(後任)が決まるまでは辞めさせられない」と言われることが多く、辞めたいと思っている本人も、その言葉を受けて仕方なく職場に残っていることが多い。

慰留されて辞められない人が多いのは、福祉という仕事に携わり、普段から人の気持ちに寄り添っているからだろうか。

しかし、その優しさに付け込んで延々と慰留する会社はいかがなものか。退職を、さも「悪」かのように退職希望者に罪悪感を植え付けようとする会社側はいかがなものか。

ちなみに筆者は感謝の気持ちを持ちつつも、働く人を見つけるのは会社の仕事だよね、という根本的な考えに立ち、粛々と退職に向けて進んでいくタイプだ。真似できる人は真似してほしい。

退職代行を考える前に分かっておくべきこと

さて退職代行を考える前に、これだけは知っておくべきだ。
有期の雇用契約ではない場合、

  • 法律的には退職は2週間前までに申し出れば良い
  • 会社の就業規則があっても、それよりも法律が優先される

例え会社の就業規則で「退職は1か月前までに申し出るように」と記載されていても、その就業規則よりも法律が優先されるため、退職希望日の2週間前までに申し出れば問題ないということ。

シンプルに考えて、会社の決まりより国の決まりの方が大切だ。会社が駄々をこねたって、法律で決まっていることなのだからそれを主張すればいい。

ただ、これはあくまで法律的なことだ。多少なりともお世話になった会社であり、普通に退職の話し合いができる会社なら、出来れば就業規則に則って退職を願い出る方が望ましい

(ちなみに筆者は転職魔だが、基本的には3か月前には退職希望を出してきた。就業規則で決められているよりもたいてい早めだ。)

退職代行利用の是非

筆者は、基本的に自力で退職できるならそうするべきだと考えている。

「いや、自力で退職できないから退職代行使うんじゃん」と聞こえてきそうだが、退職代行を利用するのにはそれぞれ理由があるだろうし、その理由は人によって違うものだろう。

例えば、

  • 「辞めたいけど怒られそうで言いにくい」
  • 「辞めると言った後、上司や同僚と働くのが気まずい」
  • 「精神的に落ち込んでしまっていて会社に出向くことが出来ない」
  • 「パワハラ上司で全く普通の会話すら通じない」

厳しいかもしれないし、時代に即してないと言われかねないが、筆者としては「言いにくい」や「気まずい」というだけ(「だけ」と言ってごめんなさい)で、代行を使うのはどうかなと感じている。(これもパワハラ?)

でも正直、世の中、言いにくいことや気まずいことばかりだ。まったく傷つかずに生きていくのは難しい。精神論を言って申し訳ないが、勇気を出して、ありったけの覚悟で退職を願い出てみてはどうだろう。

ブラック企業やパワハラ上司、心が崩壊しそうなら

「いやいや。私の会社はブラックで、上司もパワハラ気質で普通の会話さえまともに成立しません」と言うのなら、退職代行を考えて良いだろう。

こちらがどんなに誠実に対応しようとしても、普通の会話が成立しない、建設的な話が行えない相手という場合もあるようだ。

また、これ以上会社とコンタクトを取ろうものなら心が壊れてしまいそうだとか、もう既に不調をきたしているという場合。誰よりも何よりもあなたの心、精神が大事だ。守り抜こう。

でも本当に代行を依頼するならば、たくさんある退職代行業者の中から、自分が納得できるところに申し込みをしよう。筆者個人的には弁護士が行っているところの方が安心だとは思う。

まとめ

こういった記事を書き、ここに退職代行の広告を掲載することは簡単だ。筆者にほんの1円(広告収入)でも入ってくる可能性が無きにしもあらずだから。

しかし最初から述べているように、筆者は「みんなどんどん退職代行を使いましょう」という考え方ではないので、安易に広告を掲載することは辞めておく。本当に必要な人だけが使えばいいのかなと。

これから先もっと色々なケースを知る中で、やっぱりみんな退職代行使った方がいいよと思えば、その時は広告貼るかもしれないが・・・。

冒頭に記したニュースに接し、怒り心頭に発したためこの記事を記すことにしたが、ほんの少しでも、あなた様の考えるきっかけになれば嬉しい。