就職・転職

社会福祉士 内定取り消しはあるのか 

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「就職内定を受けていても、国家試験に落ちたら内定は取り消されるのだろうか」
これから就職活動を始めようとしている方においては、最大の懸念事項だろう。そして、おそらく多くの皆さんは想像ついているだろうが、実際「内定取り消しになる可能性は十分にある」のだ。

ただ、内定取り消しになるかどうかについては、どの職場を希望するのかによって全く違う。ではどのような職場で内定取り消しになる可能性が高いのか、解説していきたい。

もちろん脅すつもりはないが、リスクは考えながら就職活動や国家試験勉強に取り組んでいただきたいと思っている。

「内定取り消し」になる可能性が高い職場 3選

「内定取り消し」になる可能性が高い職場、それは・・・

  • 行政
  • 病院
  • 地域包括支援センター

上記3つあたりは、基本的には内定取り消しになると思っていた方が良い

行政

あなたが、行政の「福祉専門職」の採用枠で受験する場合、おそらく応募要件には「社会福祉士の資格を有する者(○○年○月○日までに資格取得見込みである者を含む)」というようなことが書かれているはずだ。

つまり「資格がある人しか採用しません」「期日までに資格取得していない人は応募要件に該当しません」と明言されている訳で、残念ながら、これは問答無用で不採用、内定取り消しだ。

どうしても行政の福祉専門職の仕事に就きたいのなら、資格を取ってから出直して来いということだ。

病院

病院(メディカルソーシャルワーカー)での採用も、社会福祉士になれなかったら内定取り消しになることがほとんどだ。

理由としては、診療報酬において社会福祉士を配置していることでとれる加算があるからだ。(細かな条件等を記すと話がややこしくなるため省略します)

社会福祉士になることを目指しているあなたに、いきなりお金のことを言って申し訳ないが現実である。病院としては社会福祉士が退院調整などの仕事をしてくれることで、診療報酬(お金)が入ってくるから、是非とも社会福祉士を置いておきたいということである。

逆に言えば、社会福祉士じゃない人を採用してもその加算が取れないから必要ないよね、という判断になっていく。国家試験に落ちたら内定取り消しはほぼ確実だ。

※同じようなことが精神科病棟における精神保健福祉士にも言える。

地域包括支援センター

内定取り消しになるパターン3つ目は、地域包括支援センターである。

地域包括支援センターには、原則的に主任ケアマネージャー、保健師、社会福祉士という3職種を配置しなければならないことになっている。

原則的にと記したのは、他の特定の業務で○年以上の経験があれば保健師や社会福祉士に準ずるなど、市町村ごとに細かな規定もあるためだ。しかしいずれにせよ、何の経験も有していない大卒(専門学校卒)の社会福祉士の卵が該当するようなものではない。

原則的にはその資格を有する者を募集している。内定取り消しもやむを得ない。
(大きな社会福祉法人が運営元の場合は他の部署で採用されることはあるかも)

「内定取り消し」にはならないが、採用条件が変わる場合

社会福祉士資格が取れなかった場合、代替案を示してくれることもある。例えば・・・

  • 「相談の業務には就かせられないけど他の職種で採用します」
  • 「非常勤や臨時職員として採用します」
  • 「あなたの希望した部署で採用はできないけど別の部署でなら採用します」

代替案を受けて結論を出すのはあなた自身であるが、希望した職場・職種でなくとも雇っていただけるということは、そうとう有難いことである。

まだ学生の方には十分に理解することは難しいかもしれないが、こんな恩情をかけていただけるのは、本当に本当に有難いことだ。十分に検討して返答してほしい。

もちろんあなたの人生であるから、辞退してもいい。しかしその際は先方に失礼のないように。同じ業界で働くならば、また顔を合わせてお仕事する可能性もあるし、何より「人として」大事なことだ。

せめて2回目で取る

社会福祉士を取得できなかったのに、志望した会社や法人が採用してくれた場合、次は何としても絶対に絶対に、合格しなくてはならない。 当然のことながら、しばらくはその会社・法人に恩を返すつもりで必死に働くこともだ。

働きながら資格取得を目指すことは容易ではないが、頑張ろう。

まとめ

内定取り消しの不安が高まる中、現実を突き付けて申し訳ない。また、試験に対するプレッシャーを感じている中、更なるプレシャーをかけてしまい申し訳ない。

優しい言葉、甘い言葉をかけるのは簡単だ。万が一あなたが資格を取れなかったり内定取り消しになっても、筆者には何ら影響がないことであり、適当な言葉をかける方がこちらとしても気が楽だ。

でも現実を知っておくのと知らないのでは対策が変わるはずであり、筆者が提示できることはきちんと提示して差し上げる方が皆さまのためだと考えている。なぜなら、社会福祉士を目指し、働きたいと考えているあなたは、もう筆者にとって特別な人たちだから